中学生、高校生と過食症・過食嘔吐・吐かない過食

摂食障害:過食症のカウンセリング治療は、 大阪の淀屋橋心理療法センターhttps://www.yodoyabashift.com)でおこなっています。 TEL: 06-6866-1510 (無料の事前相談があります)

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「いつも人に合わせてしんどい私。」

今朝はまたとくべつ寒い朝でした。歩いてくる公園の道沿いには霜もおりていました。オフィスの窓からみえるイチョウの木もすっかり裸になって、寒そうに立っています。「おはようございます」と、カウンセリング室のドアを勢いよく開けました。そこには過食症で来所の晶子さん(高校一年)とお母さんが座って待っていました。

「行きたくないのに、『うん』って言ってしまう自分がきらい」

「晶子さん、どうしましたか。泣いたりして」と、セラピストは声をかけました。「はい、先生、コンサートに行きたくないって泣いてるんです」と、お母さんが晶子さんに代わって答えます。どうやらクラスの友人に次の日曜日、アンジェラ・アキのコンサートにさそわれたようです。ほんとうは予定が入っていて行きたくないのに、「うん、行く行く」と、快い返事をしてしまったといういきさつでした。

友人:私、アンジェラ・アキ、だいすきやねん。あの声が清らかでなんともええよな、晶子。晶子も好きやろ。

晶子:え、あー、アンジェラ・・・うん、好き、私も好きやで。

友人:そうやろ、やっぱりな。チケットあんねん。一枚あまってるんやで。行こうなコンサート。来週の日曜日やねん。

晶子:うん、行く行く。楽しみやわ。

友人:これできまりっ。あー、よかった。やっぱりあっ子やな。OKしてくれるって思ったわ。

「もうええねん、思いっきり食べて吐いたら、スッとしたから」

このように晶子さんはその時のいきさつを泣きながら語ってくれました。「ほんまは、私、彼と図書館でいっしょに勉強する約束やってん。けどそんなこと言えへんし。あわせといたほうがええと思ってイエスゆうてしもたんや。あとでしんどーくなるけど、その場はスムーズにおさまるから。あとでなんでことわらへんかったんやろって、自分に腹がたって。私って、いつもこうや。自分がきらいや」と、晶子さんは言いました。そしてこうつけ加えました。「もうええねん、思いっきり食べて吐いたら、スッとしたから」と。

小さいころから「合わせる自分」ばっかりだったと

お母さんから「晶子はピンクがよくにあうね」と言われると「そうかも・・私、ピンクがね」と思ってしまう。「お魚はやっぱり煮たほうがおいしいね」って言われると「そうやね、煮魚がおいしいね」と答えていた。そんな人にあわせる自分が良い子だと思いこんでいた。中学三年のときに過食症を発症していらいずーと、そんな自分に「なんかおかしい、もやもやするけど、しっかりつかめへん」と、イライラしていた。

淀屋橋心理療法センターの摂食障害専門外来でカウンセリング治療を受けはじめて、少しづつ「もやもや」「イライラ」の正体が見えてきたようです。

母親は「友だちからさそわれて、イヤなら『行きたくない』ってはっきり言えばいいのにと、思うんですけど」と言います。「そんなこと言ったって。お母さんはすぐ簡単に結論ばっかり言って。できひんって言ってるのに」と、晶子さんは怒りをぶつけます。「晶子さんはまだ自分がしっかりつかめていないから「ノー」がだせないんですね。つい「行こう、行こう」と、あわせてしまって。まだ自分の色をうまく出せないから「どんな色にも染まります」みたいになってしまうんですね」と、セラピストは助け船をだしたました。

心のつぶやきを言葉で伝える練習を

カウンセリングでは、晶子さんの心のつぶやきを言葉で伝える練習をしていきました。

◆セラピスト:晶子さんは、長いヘアースタイルのほうが似合うね。

晶子:私、ショートカットがほうが好きなんです。

◆セラピスト:そのワンピースすてき。晶子さんはピンクが似合うよ。

晶子:そうですか。でもほんとうは、モノトーンが似合うと思ってるんですけど。

◆セラピスト:冬空ってさむそうやね。やっぱり春のあたたかい空のほうがいいよね。

晶子:いえ、私は冬のきびしい寒さが好きなんです。顔に冷たい風を感じながら歩くと身が引き締まって。

◆うまく自分がつかめないときは「きょうはね、ちょっと気分が悪いの。ええ返事できひんかも・・・ごめんやけど」とかで、やんわりと切り抜ける練習もしました。

晶子さんは、だんだんしっかりと自分の好みが言えるようになってきました。「お母さん、お魚はやき魚にしてね。わたし煮魚より焼いたほうが好きやねん」とか「セーターね、黒にした。黒のトックリセーター。とう似合うやろ」と。

半年たって、過食の回数がグーンと減って

カウンセリング治療をスタートして半年がたちました。晶子さんは、いままで一日3回は過食をせずにいられなかったというのに、今では二日に一回くらいの過食に減ってきています。食べ方も信じられないくらい落ち着いて食べられるようになったと、お母さんから報告がありました。

晶子さんは「私、過食症になってわかったことがあるの。それは『人に合わせすぎてはいけない』ってこと。合わせることも大事やけど、ムリをしたらいけないってことを学びました」と、しみじみと語ってくれました。

ストレス、イライラ 過食症 過食嘔吐

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☎ 06-6866-1510

福田俊一  精神科医 所長 (摂食障害専門外来 40年の治療歴)

増井昌美  過食症専門セラピスト(摂食障害専門外来 30年の治療歴)