子どもの自傷行為(リストカット):家族療法のカウンセリング治療

まじめで頑張りやさん、甘えやホッとするもの探しでリカバリー

明るく話していた有香が、手首を切った(高一)

「あのね、きょう先生にほめられたんよ。みんなの前で」と、有香はうれしそうに夕食のあと母親に話した。「数学の試験な、一番やってんて」「え、ほんま、よかったやん」「私、がんばるで。今度の試験も」「そうか、えらいな、有香は。がんばりや」。こんな会話を親子で楽しくかわして、有香は自分の部屋へ入っていった。母親はうれしかった。高校に入ってから急に勉強しだした。「○○大学へいくんや」と、将来の希望も話していた。ところがその夜、たいへんな事がおこった。有香が手首を切ったのだ。

母親は有香につきそいながら「なぜこんなことするのか、わかりません」と、おろおろ。あんなにうれしそうに話してたのに、明るくがんばるって言ってたのに。診察を受けた医院で有香は平然として答えた。「なんか切りたくなっただけや。血みたら、スーッとしたわ」。初めてのことで、傷はさほど深くはなかったが、幾筋ものためらい傷が痛々しい。深い心の悩みを感じてというのでもないのか。しらけた気持ちと表情はとりつく島がなかった。

母親の「がんばりや」の一言が引き金に?

診察を受けた医院の紹介で有香はカウンセリングをうけることになった。リストカット(自傷行為)で大事なことは「くり返さないこと」。一度やると二度、三度と切る傾向がある。初めのうちはおそるおそるだが、だんだん大胆になり傷が深くなるので要注意。

有香を引き受けたカウンセラーは、明るい心の裏にある鉛の固まりは何かをさぐっていた。有香は頑張りやさん。勉強も部活も手を抜くということを知らない。できない自分は許せない。こんな気持ちで突っ走ってきた。志望校に合格してから、特にこの思いが強くなっていた。カウンセリングがすすむにつれ、有香の口からぐちとも不満とも取れる発言がこぼれだした。

「お母さんのうれしそうな顔を見たかったんや。良い子にしてへんと、捨てられるって。小さいときから、そんな思いがしみついてた」と。「私、お母さんきらいちがうで。好きや。そやから喜ばせたかったんや。ええ高校に入ったんもそうやし、勉強がんばったんもそうや。けど、お母さんいっつも私にゆう言葉決まってんねん。『がんばりや』や。これ以上がんばれと言うのか、あの夜そない思い出したら頭ボーッとして、なんかわからんようになって」。ようやく有香の心の裏にある鉛の固まりが、溶けだしたようだ。

頑張りやさんに必要なホッとできる息抜き法

「肩の力をぬけるかな。今まではがんばる有香さんだけでしたが、これからはリラックスもできる有香さんも加えていきましょう」と、カウンセラーは有香に語りかける。

今までの有香の生き方が行き詰まってきている。「がんばるか、手首を切るか」という、極端な二者択一の生き方しか知らない。「がんばるのはいいが、無理なく自分の本質を生かしながら元気がでる道を見つけられるか。ホットできる息抜き法がみつかるか」と、この二つが立ち直りの決め手になるだろう。

ホッとできるものさがし」やってみよう

肩の力を抜くといっても、今までずーとがんばるだけのやり方できた子にとって、そう簡単なことではない。英語の勉強をするとか部活でテニスをするとか、がんばってやることは得意だが、エネルギーをつかわずにできることは難しい。「何もしないで、空をボーっと見上げてるって、こんなことでもいいんですが」と、カウンセラーは「ホッとできるものさがし」のこつを話した。

カウンセラーは面接の度ごとに「ホッとできるものは、見つかりましたか」を、くり返して聞いた。「いいえ、まだ」と、答える有香に新たな課題が。「じゃこんどはお母さんと一緒に話しあいながら見つけてきて下さい」。母親との会話を促進して、お互いの親密感を高めようというのがねらいだ。

「ホッとできるもの」は、猫の背中なでること

半月たっての面接は、母親だけの参加であった。有香は面接のあと、母親と話し合いながら自分なりのリラックス法をみつけようとした。「エネルギーを使わないで、なんか気持ちが和らぐもの」・・・・・「お母さん、私にはそんなものないわ」と、有香はいらいら。そこへかわいがっている猫のミーコがやってきた。背中をなでてやると、ゴロゴロのどをならしてからだをすり寄せてくる。「よしよし、ミーコだけやな、私の気持ちわかってくれるの」。有香はなでてやりながら、話しかけていた。そんな様子をみていた母親は「有香ちゃん、ひょっとして、あんたのホッとできるものって、ミーコの背中なでてやることちがう?」。

答えが見つかった。「そうか、これが私のホッとできるものなんか。たしかにそうやな。背中なでてたら、いつのまにか気持ち落ち着いてる」。有香は納得できる発見をしてから、イライラしたり勉強をしたあとは、意識してミーコの背中をなでるようにした。

この発見が有香にゆっくりとした生活のリズムを教えたようだ。有香のリストカット(自傷行為)は、不思議にもその後なりを潜めている。母親の言葉によると、「たまにはリスカしたら、スッキリするやろか」とつぶやくが、実行するつもりはないと話しているらしい。

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☎ 06-6866-1510

リストカット克服の本の紹介 過食症からリストカットになったケースも。

リストカットの本の紹介 過食症からリストカットになったケースも。

  • 克服できるリストカット症候群
  • 著者:福田俊一 増井昌美
  • 出版社:星和書店
  • 1,890円(税込)
  • 2011年6月26日

amazon.co.jpからも購入できます。

内容の紹介

「リストカットの謎に迫り、克服への道をともに歩む」   「頑張りすぎ」が止められない、  「相手にあわせすぎ」から抜けられない――

リストカットの背景にある「それぞれの生きづらさ」を、ベテランカウンセラーが丁寧に解きほぐし解決に導くプロセスが書かれています。

なぜリストカットをしてしまうのだろうか。自らを傷つけるというその異様なエネルギーは、いったいどこから湧いてくるのだろうか。そこに見え隠れするのは、頑張りすぎて疲れ切っているのに、また頑張ってしまうという生きづらさであり、それでも必死で生きている彼女たちの姿だ。家族療法の専門家がリストカットの謎に迫り、本人と家族の苦悩を丁寧にほぐし解決へと導く、4つのストーリー。

主な目次

第1章 カウンセリングの現場から見えてきたリストカットの真相

謎と思われたリストカットの世界から、カウンセリング治療を通して真の姿がみえてきた。やがては対応できるケースが増え、カウンセリングの幅が広がった。

第2章 ケースにみるリストカット

  • ケース1:不登校からリストカットへ…くり返される自傷行為  真希(17才 高2)「登校しなければ」というあせりからリストカット
  • ケース2:摂食障害(過食症)からリストカット…職場と父親のダブルストレス      有子(24才 OL)職場ストレスと父親への不満からリストカットを
  • ケース3:激しいリストカットから克服への道  篤子(20才 大学3)ボーイフレンドにふりまわされ、パニック状態でリストカットを
  • ケース4:留学先でリストカットが見つかって  由佳(16才 高2)春の体育祭で活躍した後留学し、現地でリストカットを発症

第3章 リストカット…母親の不安や疑問に答えて

Q1:血のついたタオルやティッシュが娘の部屋に… Q2:リストカットの傷を見つけたとき、どうすれば… Q3:リストカットの傷の手当はどうしたらいいかしら… Q4:子どもが持っているカミソリやナイフは、取りあげていい… Q5:リストカットをしそうな時、親としては外出を控えたほうが… Q6:子どもをカウンセリングに参加させたほうがいいですか… Q7:「リストカットしてやる。死んだら親のせいだ!」… Q8:子どもが「不安で不安でしょうがない」と… Q9:「私は生きてる値打ちがない」「人生の目的なにもない」…

リストカット克服 過食症からリストカットのケースも。

(2)出版を終えて…著者の言葉

■福田俊一 所長・精神科医

私は病院で医師としてリストカットに携わっていたころと、その後のカウンセリングでの治療を含めて約30年がたちました。リストカットはその症状のありようが激しいだけに、現場に携わる人たち――外科医、心療内科医、精神科医、看護師、家族、本人、学校の先生、養護教諭などに、強く『何とかしなければ』というメッセージを投げかけ続きます。誰もが無関心でおれない症状です。私もその一人です。

いろんな解決法がだされてきましたが、リストカットの原因についてはまわりの人たちや本人も納得できるような希望のある説明解釈というのは与えられていませんでした。

本書をお読みいただければリストカットという一見驚かされる現象をみても、建設的に解決できる症状であると理解していただけるのではと期待しています。

■増井昌美 家族問題研究室長・ファミリーセラピスト

年を追って増えていくリストカットのクライアントさんたちを気にしながら、執筆をすすめてきました。そしてやっと本書を手にして、正直ホッとしてます。

本書を読んでいただければ「リストカットは謎めいた行為でもなく、自暴自棄からくる衝動的な行為でもない。もっと本人の現実に根ざした行動であり、解決十分な症状である」ということが理解してもらえるものと思います。その手がかりとしての本書ができあがったという安堵感を感じています。一人でも多くの方たちに読んでいただき、リストカットの真相をわかってもらえたらと思います。

この本はamazon.co.jpからも購入できます。

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福田俊一  精神科医 所長 (摂食障害専門外来 40年の治療歴)

増井昌美  過食症専門セラピスト(摂食障害専門外来 30年の治療歴)

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過食症治し方(大阪):母親に娘への対応をアドバイス

摂食障害:過食症のカウンセリング治療は、 大阪の淀屋橋心理療法センターhttps://www.yodoyabashift.com)でおこなっています。 TEL: 06-6866-1510 (無料の事前相談があります)

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清美(25才)は、過食症にかかって7年になる。病院の精神科に3度入退院をくりかえしたが過食症は治らず、その後はひきこもり同然の生活を送っていた。三年前の春、当センターが出した本「過食・拒食の家族療法」「過食症と拒食症ー危機脱出の処方箋」の2冊を読んで来所した。

「親にアドバイスをくれる所」、これが来所の決め手

「今までの所と、ここはちがうなって感じました。強制しないっていうか、食べる食べないを任せてくれるっていうか」と清美。「本を読んで、親にどうしたらいいかをアドバイスくださる所って印象があって」と母親。「遠いけれど、行ってみよう」と決心した気持ちを、二人はこう話してくれた。「いろんな所へ行きました。病院、心療内科、カウンセリングセンターなどです。子どもに『ああしたらいけません。こうしたらいけません』という指示はでても、親にたいしてはなにも言ってもらえませんでした。家に帰って「この子のために、母親としてなにをどうしてやったらいいんだろうと、いつもわからなくて困っていました」と、母親は話した。

過食症とひきこもり

清美の過食症は決して軽いとはおせじにも言えない状態だった。18才で食べ吐きがはじまって、19才のころからひきこもりになって、毎日4~5回の食べ吐きをくり返している。体も歩くのがやっとというくらい細く弱々しい。

「頑張って通います」と、母親は力強く答える

「過食症になって7年がたっていますね。いろんな治療を受けられて、もしかしたら『もうなにをしてもだめだ』というお気持ちになっておられませんか?」と、念のためセラピストは聞いてみた。長期化したケースによくあることだが、本人は「もうあかん、なおらへんわ」と自暴自棄になっていたり、親のほうも疲れはててしまって、途中で治療をストップせざるを得ない状態になることがよくあるが、清美の母親は「頑張って通います」と力強く答えた。これが、現在は元気に活躍している清美が当センターに初めて来所した時の話である。

過食症の娘と母親

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福田俊一  精神科医 所長 (摂食障害専門外来 40年の治療歴)

増井昌美  過食症専門セラピスト(摂食障害専門外来 30年の治療歴)

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過食嘔吐:「食べ物を吐くなんて、もったいないことするな!」と父に言われて

過食嘔吐のカウンセリング治療は、大阪の淀屋橋心理療法センター摂食障害(過食症/拒食症)専門外来でおこなっております。(06−6866−1510)

 

過食嘔吐のケース紹介: 「食べ物を吐くなんて、もったいないことするな!」と父に言われて

 

過食した食べ物を吐く(過食嘔吐)が侑子の仕事のストレス解消

職場でストレスいっぱいの侑子。家に帰ってから過食嘔吐でいっぱい食べ物を食べて吐くことがその日のストレス解消になっています。

「同僚のあの言葉、許せないわ!腹立つことはいっぱいあるけど、過食で食べて吐いたらストレスを忘れられるんです」と侑子は、カウンセリングで職場でのストレス解消に過食嘔吐を使っている様子を話しました。「なるほど、過食嘔吐をじょうずにつかってるね。バランスがいいですよ。でも過食食べる量が増えないよう、気をつけましょう」とカウンセラーはアドバイスをだしておいた。を

過食して食べた物吐くなんて!」と父親が怒って

しかし侑子の過食して吐く様子をみていた父親から叱責の声が飛んできました。「食べ物を吐く(過食嘔吐なんて、もったいないことするな!」。この言葉が心につきささって以来侑子は過食でいっぱい食べた物を嘔吐することができなくなっています。「お父さんのわからずや、私の過食嘔吐をちっともわかってくれない。もうきらい、顔もみたくない!」と、侑子は父親への嫌悪感をましていきました。

過食でいっぱい食べたら、早く吐かないと太るよー、なんとかして!」と侑子は母親に泣きつきました。しかし母親もどうしていいかわかりません。太る恐怖にさいなまれて侑子は半ばパニック状態です。「先生、たいへんです。娘が過食嘔吐で『食べたら吐かないと太る!』って泣きさけんでいます」と母親から、カウンセラーに電話がかかってきました。

過食嘔吐で苦しんで吐いている本人が一番つらいのに、化膿したおできの膿をしぼりだすみたいにつらいのに」と、侑子は過食をするたびに泣いています。

過食嘔吐でいっぱい食べて、吐いてスッキリ。これまでは職場で受けたストレスも過食嘔吐で解消できていたのに、今は父親が恐くて吐くことができなくなった侑子は、ストレス解消ができずに困ってしまいました。

淀屋橋心理療法センター 摂食障害専門外来

 

福田 俊一 所長 精神科医師

増井昌美 摂食障害/過食症専門セラピスト

大阪の摂食障害専門外来 過食症/拒食症

 

「摂食障害専門外来 過食症/拒食症」が治るカウンセリング治療

 

摂食障害(過食症/拒食症)のカウンセリング治療は、淀屋橋心理療法センターで行っております。  ( TEL:  06-6866-1510        FAX: 06-6866-2812  )

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摂食障害(過食症/拒食症)カウンセリング治療は、淀屋橋心理療法センターが得意中の得意です。カウンセリングの治療実績は「2455症例」(2012.12.31まで)にのぼっており、高い治癒率を上げています。

摂食障害(過食症/拒食症)は治らない」とあきらめているあなた、「わが子の摂食障害(過食症/拒食症)に、どう対応したらいいかわからない」と悩む親ごさん、いちど淀屋橋心理療法センターにご連絡ください。40年の治療経験をもつカウンセリング一筋の精神科医師が治療に携わっています。30年過食症のカウンセリング治療を専門におこなってきた女性セラピストも従事しています。

カウンセリング治療では「摂食障害(過食症/拒食症)初期対応のこつ」や「こじれさせないためのアドバイス」をご本人や親ごさんにさし上げています。そして「摂食障害(過食症/拒食症)を克服したい」というあなたの強い願望をカウンセリングで実現に導きます。また「わが子の摂食障害(過食症/拒食症)をなんとしても治してやりたい」という親ごさんの熱意を生かし、確実に摂食障害(過食症/拒食症)からの脱出に成果をあげtげいます。

 

淀屋橋心理療法センター 摂食障害専門外来(過食症/拒食症)

福田俊一  所長 精神科医師

増井昌美  摂食障害 過食症専門セラピスト

 

過食症のチェックリスト:改善がわかるポイント(自身について)

摂食障害(過食症/拒食症)のカウンセリング治療は、淀屋橋心理療法センターでおこなっています。

摂食障害(過食症・拒食症)専門外来ページも御覧下さい。ページ上部のボタンをクリックすれば表示されます。

 

過食症のチェックリスト:改善がわかるポイント(自身について)

 

かなり長期化しやや重症だった過食症の人についてのチェックリストです。

カウンセリング治療を受けて、過食症は良くなってきただろうか?

自分で診断できるチェックポイントです。

(1)あなた自身についての改善ポイント

以前の友人(学生時代、職場の同僚など)からのメイルに返事がだせる。

「中学、高校時代の同窓会に参加してみようかな」という気持ちになれる。

家のなかでできる趣味(ビーズ、絵手紙、習字、インターネットなど)は、かなり楽しみながらできるようになる。

家のなかで自分の役割としての家事手伝いなどを、進んでやろうとする。

 

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淀屋橋心理療法センター(06-6866-1510)

このチェックリストは、淀屋橋心理療法センターの摂食障害(過食症/拒食症)専門外来が作成しました。(無断転載を禁ず)

 

福田俊一 所長 精神科医 カウンセラー

増井昌美 摂食障害/過食症専門セラピスト

 

 

摂食障害の治療「福田所長(医師)のメッセージ」

摂食障害(過食症/拒食症)の治療について

福田俊一 精神科医 淀屋橋心理療法センター所長

摂食障害(過食症・拒食症)の治療は「薬だけでは解決しない」という認識が、専門家の間でもますます高まっています。多くの心療内科から摂食障害(過食症・拒食症)に関して実績のある淀屋橋心理療法センターへの紹介が増えてきました。

「どうしても太りたくない」「やせたい」という本人の気持ちに、家族や本人も振り回されて大混乱になります。その中で心の底にある「自分らしさを掴みたい」「脱皮したい」という気持ちを引き出し伸ばして行く事が、パニックを抑さえ、根本解決に至る道です。

摂食障害(過食症/拒食症)には、確実に治る道があります。我々は家族療法を発展させた独自のカウンセリング治療で多くのクライアントを治癒に導いてきました。

■家族(特に母親)と一緒にカウンセリング治療を

「一人で治したい」という声をよく聞きます。以前はお受けしていたのですが、摂食障害の方は気分の変動がはげしく治療を続けていくことが困難なことがよくあります。せっかくうまくいきかけていても、中断ということになったり効果をあげていくのがたいへん難しいということがよくありました。

摂食障害のカウンセリング治療は、親御さん(とくに母親)といっしょに進めていきます。親御さんにふだんの生活での対応のこつなどをアドバイスしたり、課題をこなしていただいたりします。こうした協力がないと、摂食障害のカウンセリング治療は効果をあげることがきわめて困難だからです。

■摂食障害(拒食症)が治るってどういう事?

例えば、拒食症の人が無理に食べようとすれば、一時的にマシになったとしても、根本的な解決にはなりません。いつも心の中の90%は「食べるべきか」「でも食べたくない」の葛藤でしょう。いつの日にか「食べる事が空気のように当たり前になってしまう」にならなければ、『治った』とは言えないのです。食べる食べないのこだわりから自由になった時が、治癒だといえるでしょう。

■摂食障害(過食症・拒食症)は誰でもなるの。私もなる病気なの。

あなたが、場の空気を読めて、人と的確につながる事ができ、しかしどちらかというと、自分の気持ちよりも相手の気持ちを大事にする事を続けている時。そしてあなたが大人になってきて、心のどこかで「これってしんどいな」「きゅうくつだな」と思っているような時。摂食障害になる可能性があります。過食症や拒食症でなくても、こういう人達はストレスがたまった時に、体の不調に出やすいのです。「お腹を壊しやすい」「じんましんが出る」等です。

■兄弟姉妹のものを食べてしまう

弟の朝のパンを食べてしまう。しばしば過食症の人にはこのような現象が見られます。弟の為にせっかく用意しておいたパンを、お姉ちゃんが食べてしまうのです。これがけっこう、兄弟姉妹や親子の関係をギクシャクさせてしまう事が、よくあります。

■摂食障害(過食症)のつらさってどんな事?

1、とにかく太るのが許せない。という気持ちが強い為、少しでも太ると外へ出るのがイヤ。人に会えない。となる場合がよくあります。そうなると他に気がまぎれる事がなくなるので、ますます「食べる」「食べない」で、頭がいっぱいになります。

2、昔の過食症は、食べてどんどん太る人が主体でした。100kgになる人もいました。今は情報が早く伝わるので「吐く」という事を知っている人が、とても多くなりました。吐く人の辛さは、トイレで吐いた後とてもみじめな気持ちになり、吐く時とても体が苦しく、涙が出たり目が腫れたりする事です。又、虫歯にもなりやすかったりします。

3、他には、過食症というのは、薬やちょっとしたアドバイスでは治らないない為に、治らない状況で長く時間が過ぎた人が沢山います。5年、10年と経ってしまい、幸せそうな友人や元同級生や同僚の事を考えると、取り残された気がして、とても辛くなるものです。

■家族と口をきかない

過食症の人で長年続いている人は、親と口をきかなくなっている人もいます。お互い「どうすれば良いか」分からないまま、ズルズル来ているのが原因。という事が多くあります。とにかく過食症は、絶望したり腹がたっていたり、イライラする事の多い病気です。病気が親子関係を破壊しているのが半分。お互いがより良い親子関係を作り上げるのに失敗しているのが半分。中にはカウンセラーが、悩んでいる本人の親への不満をあおりすぎ、解決を見ないまま、放ったらかしにしている場合もあります。「良い子がなる」とか「親子関係の問題」という考え方が広まった為に、問題が起こっている場合もあります。ちなみに淀屋橋心理療法センターの考え方は「親子が問題」ではなく、「親子は治療の原動力」だから、しっかり考えようです。

■子どもが摂食障害(過食症・拒食症)になったのは母親が悪いんですか?

「子どもが摂食障害になったのは母親に原因がある」と言われる事が多いようです。結論から言うと、母親は悪くありません。でも、子どもに非難される事はあるでしょう。本人が目覚めていく時、母親への不満から始まる事はよくあります。でも終着点は、母親と子どもがよりうまくかみあった新しい形です。決して本人が不満ばかりつのらせる状況ではありません。子どもの自我が発達して、子どもが大人の視点から今までの子育てを非難するのは、健全な親子関係の一側面です。「親が悪いのか」というよりも、このデリケートな時期を親と子がうまく乗り越えられるかどうかが、治療に大きな影響を与えます。

■親に食べさせる

摂食障害(過食症・拒食症)のクライアントの中には、親に無理に食べさせるという人もいます。最初は「お母さんが食べてくれたら、自分も安心して食べられる」というようなきっかけで始まりますが、徐々にエスカレートしやすいものです。本人に泣きつかれるままに食べ続けて、20Kgも太ってしまったお母様もおられます。苦しくてもう食べられないのだけれど、食べないと本人が泣き叫ぶので「まるで地獄のようだ」とお母様はおっしゃいました。

■摂食障害(過食症・拒食症)と万引き

過食症・拒食症のクライアントの中には、時々万引きをしてしまう人がいます。食べ物が沢山欲しいから万引きするのかというと、そうでもなさそうです。すぐに捕まってしまうからです。上手に立ち回ろうという意識はほとんどありません。理由はハッキリ分かりませんが、やけくそになった気持ちから、万引きをしてしまうのかもしれません。

■過食症(摂食障害)と入院治療

過食症の人が入院治療をすると、しばらく過食・嘔吐は止まり落ち着く場合がよくあります。ただ退院後もそれを維持できるかというと、なかなか難しいようです。退院してしばらくすると、又過食に戻ってしまう場合が多くあります。生活の立て直しという意味での利用価値はあると思いますが、根本的解決ではありません。カウンセリング治療がかかせないと思います。

■拒食症(摂食障害)と入院治療

拒食症の人で体重がどんどん減ってくると、入院治療も考えなければなりません。淀屋橋心理療法センターが勧めているのは、内科医に体重のリミット(それ以上体重が減ると命の危険がある)を設定していただき「それ以下になったら入院」という約束を、クライアントとしてもらう事です。拒食症の人達は入院を望まない人が多く、入院を避ける為に、最低限の体重は維持しようと努めてくれる人が多いからです。その間に心理面の治療を進め、拒食症からの脱出をはかります。

■過食嘔吐

過食をする人達は、家にある物を食べていればあまり費用もかかりませんが、菓子パンを買う人がとても多いのが不思議です。あとチョコレートやアイスクリームを買う人もいます。パンを買うのは吐きやすいという事があります。吐く時には多くの人が水を大量に一緒に飲んで吐いています。我々は、吐く事そのものが病気だとは思っていません。病気であるのは「太るのが嫌」という気持ちだけです。普段食欲を押さえつけている為に、猛烈に食べたくなるようです。そのままでは太ってしまうのが許せず、全部吐いてしまわないと気が済みません。徹底的に吐く為に、涙を流しながらでも吐き続ける人が多いです。

■男性の摂食障害(過食症・拒食症)

男性の摂食障害というのも少ないですがあります。女性97%に対して男性3%の割合だという論文を見た事があります。淀屋橋心理療法センターの摂食障害クライアント1514例を調べた所、97例、つまり6.4%が男性でした。男性の摂食障害の特徴は、カッとしやすいとか強引だという傾向があるように思います。ですから最初がとても重要で、気を使います。うまく軌道に乗る事ができればあとは難しくありません。女性的な人がなる等思われがちですが、当センターでいままで治療してきた人達は全くそんな事はありませんでした。